Japan Association for Medical Informatics

[3-A-1-04] HL7 v2.5インターフェースおよびSS-MIX2への持続的変更がFHIRへの適合を促進した事例

鳥飼 幸太1 (1. 群馬大学医学部附属病院)

HL7 v2.5, HL7 FHIR, IHE-RO, SS-MIX2, HIS

群馬大学医学部附属病院では2010年に重粒子線治療施設を稼働させる際、HIS-RISインターフェースとして、IHE-ROフレームワークに基づくHL7v2.5のオーダリングシステムを採用した。また、2012年に調剤ステータス可視化システムを稼働させる際、インターフェースとしてHL7v2.5のMedicationDispenseを実装している。2015年の電子カルテシステム更新においては、院内のオーダリング・処方、注射、検査、入退院等のオーダ情報をSS-MIX2で保存し、電子カルテシステムダウン時でもWebビューワを通じてカレンダー表示できる機能を提供している。このように持続的な標準化対応を進めた結果、HL7v2.xからFHIRへ変換する統合エンジンが公式にサポートされたこと、SS-MIX2ではHL7v2.5詳細をJAHIS規格に揃えられたことにより、統合エンジンの活用によってv2.5、SS-MIX2でもこれまでに策定されたProfile:InterOperabilityを維持しながらFHIRへ速やかに移行し活用できる状態に移行できた。本経験を通じ、本院でのシステム更新時の標準化において重要な点は、規格の統一自体よりも、「病院ごとの個別フォーマットを共通了解されたフォーマットにマッピングする」作業自体に依拠すると考えている。本院では、数年にわたる長期間にわたり、部分的な院内システム更新が継続するケースにおいても標準化の恩恵が受けられることを事例を通じて紹介し、診療現場での活用が飛躍的に高まる点でFHIRは「フォーマットマッピング」の好機と捉えられることを示す。