Japan Association for Medical Informatics

[3-A-3] Industry 4.0時代におけるロボット心臓手術

渡邊 剛1 (1. ニューハート・ワタナベ国際病院)

Robotic Surgery, Keyhole Surgery, Mitral Insufficiency

 今日は「キーホール手術としてのロボット心臓手術の夜明け」と題しお話をさせて頂きます。人口の高齢化と食生活の欧米化に伴って日本人の平均寿命は延びましたが、心臓疾患など高齢者の疾病も増えてきているのが現在の時代です。第4次産業革命としてのロボット、AI、ビッグデータ、IoTなど我々を取り巻く環境も刻々と変化し、それに対応して生きていくことが必須となる大変厳しい時代になっております。本日は医療の側面からロボットを用いた心臓手術についてお話をさせて頂きたいと思います。外科手術は200年以上も前、ビルロート博士が初めて胃癌を手術しました。心臓手術に関してはおよそ60年前に心臓手術、特に開心術を行った、まだまだ歴史の浅い領域です。ロボットを使用した外科治療が日本でようやく産声を上げましたが、これは外科の歴史上、エポックメイキングなイノベーションであると考えています。
 私が2005年に日本で初めてロボット心臓手術を開始して15年になろうとしています。700例以上のロボット心臓手術を経験して得た知見と共に、本日はこれからのロボット手術、そしてAIやビッグデータを用いた今後の外科治療のあり方につき、将来展望を含めてお話をしたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。