[3-A-4-03] 在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)及び在宅酸素療法(HOT)における遠隔モニタリングの現状と展望
HOT, CPAP, Telemedicine
2018年度診療報酬改定において、CPAP, HOTにおける遠隔モニタリング加算が、算定可能になり、遠隔モニタリングの更なる普及が期待される。CPAPは、睡眠時無呼吸の治療に用いられ、HOTは、主に慢性呼吸不全の治療に用いられる。何れも非監視下の在宅で主に行われるが、ICTを利用した遠隔モニタリングを導入することにより、機器の使用状況、治療効果等について従来は、データが記録されたSDカード等を外来時に患者が持参した時にしか、知りえなかった情報が、医療従事者が、必要に応じて患者の状態を把握し、療養上適切な指導を行う事が、可能になった。これは、診療における空白域を補うことになり、在宅医療の質の向上に貢献すると期待できる。また患者の外来時のSDカード等持ち込み忘れの対策にもなり、事前に施設が、データを準備することができるため、患者の外来時待ち時間短縮になる等診療効率の改善にも貢献している。しかし診療報酬の算定要件において、『施設基準が実情にそぐわない』『通信費用の請求ができない』『モニタリングで得られた臨床所見を診療録に記載することが必要であるが、医療従事者の負担が大きい』等様々な意見もあり、算定条件の改善要望が散見する。またHOTは平均年齢70歳以上だが、CPAPは、40代から50代の働き盛りの男性が多く、患者プロファイルは異なり、遠隔モニタリングに期待されるアウトカムも異なると考えられる。診療の向上のために集積されたデータの利活用、他のデバイスやシステムとしての連携をどうするかは、今後の検討課題と考えられる。