Japan Association for Medical Informatics

[3-A-4-05] 在宅医療介護連携におけるICT利活用の現状とIoT利活用推進の可能性

光城 元博1 (1. 保健医療福祉情報システム工業会 医療介護連携WG)

IoT, ICT, Home Medical Care, Long-Term Care, JAHIS

 要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの推進には、地域の医療機関や介護事業所、市町村、社協、社福法人、NPOなどが連携する「ひとのネットワーク」があることが前提である。あくまでも、ひとのつながりをサポートする道具として「ICTシステム」が存在するという考え方に基づき、一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)では、在宅医療介護連携のICT利活用推進に関して、これまで厚生労働省、総務省、大学等研究機関、職能団体等と共に調査研究事業を行ってきた。
 具体的には、多職種連携の現状について、省庁からの受託事業や大学との共同研究事業として、全国30以上の地域(市区町)に訪問し、医師会・歯科医師会・薬剤師会・訪問看護ステーション・介護事業者・行政の多職種にヒアリングを行い、ICT化すべき業務を洗い出し、在宅療養における医療介護サービス提供の効率化および患者本人満足度の向上に資する標準化の範囲と推進方策をとりまとめた。また聴取した現場の意見を「情報項目とICT機能」「推進要因」「阻害要因」「職種ごとのメリット」「お金の問題」「行政・保険者とのかかわり」に分類し、今後、医療介護連携ICTを導入する地域が参考となるよう、地域の実情と照らし合わせたICT導入目的の設定や必要機能、対象となる患者像と適用シーン、連携項目、運営体制、資金計画などのあり方を示した。これらの経験からIoTを医療介護現場で利活用する上での技術面・運用面・制度面等の課題と将来像を述べる。