Japan Association for Medical Informatics

[3-B-1-01] ひな型パス、施設パスの作成とパス改修仕様の実際について

中熊 英貴1、管田 塁1、西岡 智美1、小妻 幸男1、堀田 春美1、町田 二郎1、副島 秀久1 (1. 済生会熊本病院)

pathways, repository, outcome

クリニカルパス標準データモデルの開発および利活用、通称、ePathプロジェクトは、①アウトカム志向型パスシステムの標準化、②標準データリポジトリ規格の策定、③アウトカムを含む診療プロセス解析基盤構築・解析を目的とし、2年目を迎えた。プロジェクトで進めたひな型パス、施設パスの作成とパス改修仕様について報告する。

ひな型パス、そのパスを施設毎にアレンジした施設パスを作成した。ひな型パス作成の際にはパス合宿を開催し、①観察回数とアウトカム評価回数の標準化、②バリアンス記録の記載タイミングの確認、③体温や血圧などのスクリーニング項目のアウトカム化、④日々の総合評価の実施など運用も含め、作成した。施設パス作成のため、作成ルールを策定した。①スクリーニング項目のアウトカムはアウトカム、適正値を含めた観察項目は固定とする、②疾患特異性のあるアウトカム、観察項目やタスクは参考とし、各施設でアレンジする、とした。各施設でのキックオフミーティングを経て、2019年8月末に全て運用開始予定である。ひな型パスや施設パス作成と並行して、パス改修仕様も策定した。①オーバービューと日めくり機能を備えること、②オーバービュー、日めくり機能に使用するアウトカム、観察項目には日本クリニカルパス学会監修のBOMを採用できること、③バリアンスを明示し、バリアンス発生時の記録と連動するテンプレート展開などの仕組みを備えること、④日々の医師の総合評価ができること、などとした。パス改修仕様の確認、リポジトリへの出力テストの結果、リポジトリへ意図したデータが格納されないことが発生した。BOMや薬剤などのマスタ整備が不十分な点や運用でカバーするべき点などが原因として考えら、ベンダーと協働し、意図したデータの格納に至った。格納したデータを解析し、データ精査を繰り返すことで、パス標準データリポジトリの質が向上し、より質の高い解析が期待できる。