Japan Association for Medical Informatics

[3-B-2-04] 医療・看護必要度を活用した看護師の配置における解析と考察

相馬 健人1、小野原 玲子2、細川 悠真1、浅倉 宏至1、三好 亮1、鈴木 雅之2、松下 紘輔2、村木 泰子3、増井 孝之2 (1. NECソリューションイノベータ株式会社, 2. 社会福祉法人 聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷浜松病院, 3. 一般社団法人 日本看護業務研究会)

Machine learning, Need for medical treatment and nursing care, Overtime hours

【背景】2019年4月1日から働き方改革法案が施行され、医療現場においても働き方改革による超過勤務時間の軽減が求められている。しかし人件費を考慮すると、人員増加は困難である。本研究の目的は、看護師の超過勤務時間は病棟ごとに差があることに着目し、病棟の受入患者状況から病棟に必要な看護師数を算出し、各病棟における看護師の超過勤務時間の平均化を図ることである。

【方法】2018年4月1日から2018年12月26日までに入院していた患者情報、医療・看護必要度評価得点、看護師の勤怠情報から以下3段階で病棟ごとに必要な看護師数を算出した。
1.クラスター分析による、医療・看護必要度の患者群の分類
2.重回帰分析による、患者群に必要な看護師工数の算出
3.重回帰モデルを基にした、各病棟に必要な看護師数の算出 

【結果】1.クラスター分析による、医療・看護必要度の患者群の分類
患者ごとの医療・看護必要度A項目、B項目、C項目における評価得点の組み合わせを、クラスター分析により5群に分類した。
2. 重回帰分析による、患者群ごとに必要な看護師工数の算出
看護師の工数が必要な医療・看護必要度項目は、A項目が4以上の患者群、B項目が3以上の患者群、C項目が1以上の患者群の順であった。
3. 重回帰モデルを基にした各病棟に必要な看護師数の算出
重回帰モデルの結果から各病棟に必要な看護師数を算出した。看護師数を現状維持で可能な病棟は6病棟、増員が必要な病棟は3病棟、減員が可能な病棟は5病棟であった。

【展望】現在、病棟に必要な看護師数を算出するツール開発し、検証中である。本研究の有効性の証明は、検証結果で行う予定である。現状ツールは、看護師スキルの反映ができていない。今後は、看護師スキルをどのように反映し、対応するかが課題である。