疾患別リポジトリをはじめとする医療分野における診療情報、画像情報などの大規模収集プロジェクトが近年盛んに展開されている。収集されたビッグデータの解析は臨床研究や製品開発など様々な利用シーンへの活用が期待されるが、利活用する過程において、情報漏洩をはじめとするセキュリティ事故やプライバシー侵害があってはならず、データの収集、第三者への提供、流通するデータのトレーサビリティ、匿名加工処理など広範囲にわたる高度なセキュリティ技術の実運用が求められる。

本企画セッションは、次世代医療基盤法の施工後の検討状況にかかわる情報共有を行うとともに、こうした実運用システムに寄与することが期待されるプロジェクトとして、セキュアかつフェアなデータ流通プラットホームの構築を目的としたJST CREST「ビッグデータ統合利活用促進のためのセキュリティ基盤技術の体系化」プロジェクトから、セキュリティコア技術やデータ流通管理技術として開発したPSI（Private Set Intersection）、プライバシーリスク評価技術、トレーサビリティ技術などの要素技術の紹介、また応用事例として、予防安全分野での多機関分散データの利活用実証システム、医療分野での診療データ利活用実証システムの2つの統合的利活用を目指したフィールドの取り組みについて情報共有し、議論の場とする。