[3-E-1-05] 食道MRI画像から小パッチ抽出によりCNNを用いた食道部位などの同定の試み
Artificial Intelligence, Esophageal Cancer, Diagnostic Support, MRI, Convolution Neural Network
【背景】食道は周辺臓器と接しているため,食道がんの他臓器への浸潤を判定する画像診断の役割は大きい。我々はMRI画像から食道部位を他の臓器と分離して同定し,TNM分類におけるT因子を判定する人工知能の研究に取り組んでいる。今回,小パッチをMRI画像中の各臓器から抽出し,食道部位を同定することを試みたので報告する。
【目的】MRI画像から抽出した各臓器の小パッチの正答率を求め,食道同定した推論マップと教師データからJaccard係数,Dice IndexとIoUを用いて評価を行う。
【方法】①MRI画像24例について食道,動脈,気管,肺,心臓,肝臓と脊髄の小パッチ(64× 64)を抽出し,CNN(Alexnet)を用いて学習を行い交差検定により平均正答率を求めた。②前記学習モデルを用いて,小パッチでMRI画像をスキャンし推論を行い,その推論値から食道部位の推論マップを作製した。医師による正解画像と比較し,Jaccard係数,Dice Index,IoUを求めた。[結果]①各臓器の小パッチの平均正答率は食道0.943,動脈0.982,気管0.978,脊髄0.999,肺0.710,心臓0.775,肝臓0.157であった。②食道の推論マップのJaccard係数,Dice Index,IoUはそれぞれ0.538,0.684, 0.665であった。
【考察】64×64の小パッチによる食道の平均正答率は0.943と高い値を示した。ほかに動脈,気管や脊髄など小パッチ内に収まる領域の正答率が高く,対象とする臓器の大きさとパッチのサイズの適合性は重要であると考える。領域の同定にはFCNのような手法も存在するが,教師データ作成に専門的知識や緻密な作業を必要とするため負担が大きいが,本方法は小パッチ内に対象臓器が入るように抽出すればよく,作業の負担は小さく有用な方法であると考える。
【目的】MRI画像から抽出した各臓器の小パッチの正答率を求め,食道同定した推論マップと教師データからJaccard係数,Dice IndexとIoUを用いて評価を行う。
【方法】①MRI画像24例について食道,動脈,気管,肺,心臓,肝臓と脊髄の小パッチ(64× 64)を抽出し,CNN(Alexnet)を用いて学習を行い交差検定により平均正答率を求めた。②前記学習モデルを用いて,小パッチでMRI画像をスキャンし推論を行い,その推論値から食道部位の推論マップを作製した。医師による正解画像と比較し,Jaccard係数,Dice Index,IoUを求めた。[結果]①各臓器の小パッチの平均正答率は食道0.943,動脈0.982,気管0.978,脊髄0.999,肺0.710,心臓0.775,肝臓0.157であった。②食道の推論マップのJaccard係数,Dice Index,IoUはそれぞれ0.538,0.684, 0.665であった。
【考察】64×64の小パッチによる食道の平均正答率は0.943と高い値を示した。ほかに動脈,気管や脊髄など小パッチ内に収まる領域の正答率が高く,対象とする臓器の大きさとパッチのサイズの適合性は重要であると考える。領域の同定にはFCNのような手法も存在するが,教師データ作成に専門的知識や緻密な作業を必要とするため負担が大きいが,本方法は小パッチ内に対象臓器が入るように抽出すればよく,作業の負担は小さく有用な方法であると考える。