Japan Association for Medical Informatics

[3-G-1-02] オンライン診療サービスと多職種連携SNSを活用した症例に関する考察

原 聖吾1山下 巌2、清水 健一郎3、野村 和至4、吉野 正敏5 (1. 株式会社MICIN, 2. 医療法人社団 法山会 山下診療所, 3. 医療法人社団ききょう会 、巣鴨ホームクリニック, 4. 医療法人社団野村医院 、東京大学医学部附属病院 老年病科, 5. 吉野内科クリニック)

telemedicine, doctor-to-patient relationship, social networking service

【背景】オンライン診療が2018年に新たに保険収載された。通院の負担軽減、医療へのアクセスの向上から注目されたが、対象疾患の制限等、算定要件をクリアすることが難しく、普及は進んでいない。結果、オンライン診療の親和性がある疾患・状態について検討が十分にされていない現状がある。
現状、オンライン診療は30−60代と若い世代で使われており、どちらかといえば軽度な生活習慣病やアレルギー、皮膚科等の患者に活用されている報告がある。
一方で、オンライン診療がただのビデオチャットで完結するのではなく、医師患者関係をより深め、医療の質を向上させるツールとして活用されることが期待されている。

【目的】医療、介護の現場においては対面での外来・在宅医療を補うものとして、多職種や患者本人・家族が治療に参画するSNSツールが普及しつつある。ここにオンライン診療組み合わせることで、どのような新たな価値が実現できるかを探索する。

【方法】都内の複数医療機関で、外来・在宅医療に関わらず、多職種連携SNSとオンライン診療を併用することで、診療上の効果や効率の向上、患者側の安心感の増加がもたらされるかを記録し解析する。
対象は比較的通院負担感の大きい患者、多面的なサポートが望ましい患者であり、診療におけるオンライン診療の有効性と課題について、
・診療前後の患者・医師双方への質問紙を用いた調査
・医師の記入する症例表
等を用いて抽出する。
現在の制度下においてオンライン診療料の保険適用が可能か否かに拘らず、オンライン診療が有効に機能する患者像、患者状態、家族構成、社会資源の活用度等を明らかにするとともに医療者、患者・家族の安心感や満足感を検証する。

【結果】オンライン診療と多職種連携SNSツールとの組み合わせにより、患者に新たな価値を提供できるケースが出てきている。10月までに登録された症例について、本学会で発表を行う。