Japan Association for Medical Informatics

[3-I-2] 国内外で進むGS1バーコード表示義務化とその未来 -医療の安全性向上と効率化をめざして-

美代 賢吾1、田中 大祐2、澤田 真如3、前川 ふみ4 (1. 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター、2. 厚生労働省 医薬安全対策課、3. 東海大学医学部付属病院、4. GS1ヘルスケアジャパン協議会)

GS1, Bar code, Standardization, Hospital Administration

国際標準の商品識別コード(商品番号)、有効期限、ロット番号などの情報が含まれたGS1標準のバーコード(以下GS1バーコード)は、世界的に表示の義務化が進んでいる。日本も例外ではなく、2019年3月にバーコード表示の義務化を含む薬機法の改正案が国会に提出された。GS1バーコードをスキャンすることで、世界共通の商品番号で使用履歴を記録することができ、患者安全に有効である上、バーコードスキャンにより収集されたデータを広く活用することが可能である。行政においても、GS1バーコードの表示義務化に加え、活用促進のための施策を実施しており、2018年度には厚生労働省において「医療現場におけるUDI利活用促進事業」が実施され、バーコード活用に関する医療機関へのアンケートとともに、医療現場におけるバーコード活用に関する実証実験を行っている。

本セッションでは、
1. 日本におけるGS1の利活用を含めたトレーサビリティ向上に向けた政策
2. 「医療現場におけるUDI利活用促進事業」の実証実験結果(東海大学医学部付属病院)
3. GS1をキーとして、国家レベルでトレーサビリティを実現している海外の動向
4. 今後GS1バーコード活用を広く医療機関に展開するための取り組み(国立国際医療研究センター(NCGM))
を述べる。
本セッションを通じ、GS1バーコード利用促進はもちろん、バーコードスキャンにより得られる情報の利活用に関する議論が深まることを期待する。