Japan Association for Medical Informatics

[3-P1-1-02] 当院での電子カルテの一括印刷における諸問題

高橋 国人1、脇坂 仁1 (1. 防衛医科大学校)

Medical record disclosure, Electronic medical record, Printing error

防衛医大病院におけるカルテ開示請求の年間件数は平成27年度まで60件前後で推移し、以降は増加傾向にあって平成30年度では約120件に達し、3年間で倍増している。平成30年度の平均印刷枚数は約480枚/件である。当院では平成22年から診療録が電子カルテ化され、登録患者数は約773千人である。現在、増加する開示請求には主に電子カルテ(IBM CIS)の一括印刷機能で対応しており、次の問題を抱えている。1)電子カルテに医療PC上からドラック操作で取込んだ画像ファイルが印刷されない。2)印刷途中でエラーとなり、最終ページまで印刷されない場合が多々ある。3)この印刷エラーが起きると最初から印刷し直さなければならない。4)印刷すべき範囲が不明瞭。1)〜3)は製品に依存した問題であるため一般化できないかもしれないが、これらに対して現実的に大きな労力が割かれており、同様問題を抱える医療施設の参考になれば幸いと考え報告する。1)については、DWHソフトウェア(WebQuery, システムコンサルタント社)で電子カルテ上のファイル取込み箇所を特定し箇所ごと別途印刷している。2)と3)については、大きく2つの原因に分かれるらしきことがベンダー調査や我々の経験で浮き彫りになった。A社製プリンターで印刷エラーが発生しB社製に変えたところ発生しなかった。しかし、B社製であっても電子カルテ上のある部分を印刷範囲に含めるとエラーが起きた。また、PDFに出力する方法は成功しなかった。原因の1つはプリンターとの相性にあり、もう一つは電子カルテの印刷機能にある可能性が大きい。4)について、開示請求元が診療科指定した場合などに一括印刷で範囲指定しても、請求元が欲する情報とずれることがある。また、電子カルテに転記されない部門システム上の情報がこの問題をより複雑にしており、1部署ではなく組織的対応が必要と考える。