Japan Association for Medical Informatics

[3-P1-2-04] 医師と協働した看護計画立案に関する情報共有の方策と標準化マスターの取り組み

山内 美智子1,2、福山 麻里1,2、髙木 美由紀1,2、久保 慎一郎1,2、森川 祐美1、喜多 真美2,3、八倉 弘明2,4、高橋 美雪1、水流 聡子5、玉本 哲郎2,6 (1. 奈良県立医科大学附属病院 看護部, 2. 奈良県立医科大学附属病院 医療情報部, 3. 奈良県立医科大学附属病院 経営企画課 診療情報管理係, 4. 奈良県立医科大学 情報推進室, 5. 東京大学大学院工学系研究科 品質・医療社会システム工学寄付講座, 6. 奈良県立医科大学 放射線腫瘍医学講座)

Clinical path, Patient Condition Adaptive Path System, Nursing plan, Electronic medical record, Progress sheet

【はじめに】 当院では2019年5月に病院情報システムの更新を行った。その際看護計画の在り方について検討し変革が必要であると考えられたため、看護師が独自に立案していた標準看護計画を、患者状態適応型パスシステム/PCAPS (以下、Team Compass)に変更し医師とプロブレムを共有化し問題のプロセスを可視化したので報告する。

【方法】 Team Compass採用に当たり各科医師にヒアリングを行い、治療を4つのフレームに構造化した。更に医師の情報共有を行うため、指示簿に記載したプロブレムをTeam Compassへデータ連携し、看護師が医師の指示を目視で確認しなくても自動的に看護計画が立案されるように仕組みづくりを行った。看護計画は医師と看護師が協働で手術・治療にかかるマスターを作成した。その際、東京大学が開発したPCAPSマスターを基に開発した。また、ケアや観察内容はMEDIS-DCの看護標準用語マスターに完全準拠した。

【結果】PCAPSに登録したマスターは各科合わせて778項目作成した。これらは今後、Team Compassを導入する病院と共用化することで標準化される予定である。経過表においても電子カルテのみで記載される内容をTeam Compassに連携することで、Team Compassの経過表にすべての情報が集約されることになった。また、各種オーダー情報を連携し、情報収集が容易になった。

【考察】医師とプロブレムおよび診療プロセスを共有し、必要な観察内容を展開できるようになったことで、医師との情報共有がスムーズになり、看護師独自の計画から医師看護師共有の土台が整った。今後は、患者支援・看護師の業務負担の軽減を進めることで、より洗練したシステムとなるように開発を行っていく。