Japan Association for Medical Informatics

[3-P1-3-05] 携帯端末を通して得られたCT画像を用いた画像分類の精度評価の検討

曹 瀛丹1、杉森 博行1、小笠原 克彦1 (1. 北海道大学大学院保健科学院)

CT Image, Image Classification, Artificial Intelligence, Deep Learning

【背景】近年、人工知能技術が発達し、一般画像だけでなく医用画像にも応用されるようになった。医療現場において人工知能技術を使用するには即時性と高い精度が求められる。人工知能技術は多数の画像を訓練し分類モデルを作成するが、モデル作成には高精度のコンピュータやソフトウェアが必要となり、画像の評価においても専用の端末が必要である。しかし、環境によらず人工知能技術を実施できることが重要であり、携帯端末上での医用画像の評価が必要である。本研究では、人工知能技術の基礎的技術ある画像分類においてCT画像の画像位置および造影剤使用の有無に関して、携帯端末を通して得られた画像分類精度を評価することを目的とした。

【方法】対象は既に撮影されたCT画像(施設倫理委員会承認済)であり、これらの画像をJPEG形式に変換した。この画像をPC上に表示し、携帯端末を通して撮影し保存した。さらに、携帯端末で撮影された画像はソフトウェアを用いてトリミング処理を加え余分な領域を除去した。これら3種類(CT画像(以下、原画像)、携帯端末で撮影されたCT画像(以下、携帯端末画像)、画像処理を加えた携帯端末で撮影されたCT画像(以下、画像処理画像))の画像を既存のCT画像モデル(22層のGoogleNetを用いた)用い造影剤使用腹部CT画像の精度を算出し、平均値を比較した。

【結果・考察】算出した精度(確率)の比較において、原画像:0.90(0.97±0.08)、携帯端末画像:0.79(0.92±0.13)、画像処理画像:0.15(0.66±0.19)の順で高かった。携帯端末画像では背景に無関係な部分が多く写り込むため、精度が低下したものと考える。画像処理画像では携帯端末画像に処理を加え余分な領域を除去することによって、画像の特徴量が検出しやすくなったため、精度が向上したものであると考えられる。