Japan Association for Medical Informatics

[3-P1-4-02] 先発医薬品名称と一般名称のvwhtfragを用いた名称類似度網羅的比較

渡邉 武明1、前島 悠1、門田 佳子1 (1. 東京歯科大学市川総合病院)

name similarity, similarity index, brand name, generic drugs, medical error

【はじめに】医薬品名称の類似に起因する医薬品取り違えや処方エラーについてはこれまで度々報告されているが,先発品販売名と後発品の名称類似性を網羅的に調査し比較した研究はない.
そこで,本研究では先発品を後発品に切り替えた際に名称類似性がどのように変化するかを明らかにすることを目的とし,先発品,一般名それぞれの名称類似度を網羅的に調査した.

【方法】厚生労働省が公開している「薬価基準収載品目リスト-平成31年3月適用版」から,全ての後発品のある先発品を抽出し,その販売名と一般名についてそれぞれの医薬品名称類似度を総当たりで算出した.
名称類似度はvwhtfragを用いてスコア化し,エラー増加と相関する0.28以上の件数と割合を算出した.

【結果】抽出した医薬品名称と一般名称は内用先発429件,内用一般名397件,外用先発131件,外用一般名110件,注射先発123件,注射一般名156件であった.
vwhtfragが0.28を超えた割合と件数は,内用先発5.76% (5041件),内用一般名5.07%(3989件),外用先発4.59%(391件),外用一般名7.22%(433件),注射先発5.32%(399件),注射一般名5.04%(609件)であった.

【考察】先発品に対する一般名のvwhtfragが0.28を超える割合は,内用,注射で減少,外用で増加していた.
一般名は構造が類似している場合名称も類似する傾向にあるが,全体で見ると名称類似度は外用を除き増加しないことが分かった.これは,薬効が異なる成分間の名称類似度が低いことが理由として考えられる.
外用で一般名の方が名称類似度が高かった理由として,外用として使用できる成分の薬効分類が限定されることが考えられる.

【結語】先発品から後発品に切り替えることで医薬品どうしの名称類似度は外用を除き増加しない.