Japan Association for Medical Informatics

[3-P1-4-03] 医療関連感染症サーベイランスの業務負荷軽減に向けた電子カルテ及び生体情報監視データの利活用について

小熊 貴成1、高木 宏利、鍼田 慎平2、上野山 由紀2、小笠原 貴1、田頭 保彰2 (1. 多摩医療PFI株式会社, 2. 東京都立多摩総合医療センター)

Healthcare-Associated Infections Surveillance, Infection Control Team, Data Warehouse, Business Intelligence Software, Utilization of Electronic Medical Records

【1. はじめに】当院は救急外来に年間3万人以上の患者が受診する許可病床数789、救急重症ユニット5部門、一般病棟18部門の高度急性期病院である。感染管理認定看護師は専従1名、兼任1名の計2名が在籍しており、サーベイランスの業務負荷が課題となっている。そこで電子カルテ及び生体情報監視データを利活用し、業務負荷軽減を目指した取り組みを報告する。

【2. 方法】2.1対象業務
カテーテル関連尿路感染症(以下、CAUTI)及び中心ライン関連血流感染症(以下、CLABSI)のサーベイランス
2.2対象データ
①CAUTI:電子カルテデータ(患者移動情報/細菌検査結果/転帰/カテーテル留置情報/体温)
②CLABSI:電子カルテ及び生体情報監視データ(カテーテル留置情報)
2.3DWH及びビジネスインテリジェンス(以下、BI)ツールの利用
対象データをDWHに投入しデータ間で結合処理を行った。BIツールにて患者移動情報とカテーテル処置情報を用い日毎の病棟別挿入状況画面を作成した。次に病棟毎の患者別挿入状況画面を作成し細菌検査実施日を加え判定対象患者の特定を可能とした。患者毎の判定は各種データを1画面に集約し判定登録機能を設けた。

【3. 結果】紙運用していたデバイスカウントが不要になり、病棟看護師の記載業務及び集計作業の負担がなくなった。また、判定対象患者の特定が即座に可能となり、1画面に必要な情報が集約され、人手によるデータ収集、加工業務が不要となり大幅な業務負荷軽減となった。

【4. 考察】カテーテル挿入患者は毎日23:59時点を対象とした為、抽出ロジックを組む必要があった。患者移動情報は実際に移動が発生しない日はレコードが作成されず、データ補完する必要があった。これら加工データは感染管理認定看護師にて正確性を確認した。業務負荷軽減に加えサーベイランスの精度向上を実現した。