一般社団法人 日本医療情報学会

[3-P2-1-03] 病理診断ガイドアプリケーションのマスタデータ作成支援機能による効率化の検討

池上 浩樹1、中西 陽子2、増田 しのぶ2、根東 義明3、五味 悠一郎4 (1. 日本大学理工学部応用情報工学科, 2. 日本大学医学部病態病理学系腫瘍病理学分野, 3. 日本大学医学部社会医学系医療管理学分野, 4. 日本大学理工学部)

Guidelines, Pathological diagnosis, Master data creation support function, Make efficient

病理診断では、臓器や癌の種類によって異なる確定診断のための検査項目をガイドラインなどで調べる必要があり、診断基準が変更されたり新たな検査項目が追加されたりした場合は、最新の情報を個人で入手して更新する必要がある。こうした病理診断業務の効率化を支援するために、複数のガイドラインを集約したマスタを作成し、診断のための適切な検査項目を簡便に提示できるアプリケーションシステムを本研究では開発してきた。しかし、ガイドライン情報は臓器や癌種毎に存在し、頻回に改定されることからマスタデータ作成における作業量は膨大となり、管理作業の負担と情報更新の遅れが問題となっていた。今回我々はマスタデータの作成と更新作業の効率化を目的として、病理診断ガイドアプリケーションへマスタデータ作成支援機能を実装し、検証を行った。
マスタデータは、最適なデータ構造を検討中であることから第一正規形としているため、マスタデータ作成支援機能のインターフェースは、第二正規化および第三正規化に対応した形式とした。マスタデータ作成支援機能を実装した病理診断ガイドアプリケーションを共同研究者が使用後、機能実装前後の作業量を数値的に比較した上で使用後の感想をヒアリングした結果、マスタデータ作成にかかる負担を軽減できることが明らかとなった。
マスタデータの作成と更新作業が効率化された結果、最新情報への更新時間が短縮され、診断の実情に適した病理診断ワークフローの効率化による医師の負担軽減が期待される。