Japan Association for Medical Informatics

[3-P2-2-04] 病院情報システムのデータを用いた看護必要度の推定

生土 博之1、木村 知広2、津本 周作3 (1. 島根大学医学部附属病院看護部, 2. 島根大学医学部医療サービス課, 3. 島根大学医学部医療情報学)

Hospital information system, Severity, medical and nursing need, Clinical path

平成30年度診療報酬改定に伴い、重症度、医療・看護必要度Ⅰ・Ⅱが設定され、入院基本料の施設基準はより厳しいものとなった。重症度、医療・看護必要度Ⅰでは、日々看護職員が評価しているが、「評価の手引き」を理解していなかったり、思い込みで評価したり、評価者によって評価に差が生じてしまう可能性が高く、安定した重症患者割合を担保していくことは簡単ではない。また、入院期間の短縮化に伴い、めまぐるしく変化していく患者状況を予測し、どのように重症患者割合が変化することを推測することは容易ではなく、入院基本料の施設基準を満たさなくなってしまうことは、病院経営の根源を失うことになる。入院してくる患者が基準を満たすかどうか、経時的変化を即時的に分析できることは、診療・病院経営の支援のために重要である。

 そこで、病院情報システムより必要なデータをさまざまな基幹系データベースから抽出し,クリニカルパス適応患者の重症度、医療・看護必要度Ⅰの変化を時系列に可視化することで、将来の重症度、医療・看護必要度Ⅰを推定する方法を考案した。

 この推定法を用いることで,クリニカルパス終了時の重症度、医療・看護必要度Ⅰの情報から、適応期間の妥当性や、退院時の患者のADLの状況がわかり、退院を見据えた医療提供の質改善を支援でき,重症度、医療・看護必要度のA項目がどのように変化していくかを確認すること診療実績データの一つである処置オーダーをクリニカルパスの構築が支援できる。例えば,重症度、医療・看護必要度Ⅰで「心電図モニターの管理」を「あり」として1点加算している日に、処置オーダーの「呼吸心拍監視」設定する事で、診療実績データがより正確になり、重症度、医療・必要度Ⅱの上昇も期待できると考える。