[4-A-1-01] 米国におけるHL7 FHIRを用いた2型糖尿病向け処方選択支援システムの開発
Clinical Decision Support, Machine Learning, Type-2 Diabetes, FHIR
【背景と目的】2型糖尿病は代表的な生活習慣病の一つであり、患者数も多く長期にわたる治療の継続が必要である。この長期間の治療を効果的に行うには、患者の状態に合わせた処方薬の選択が必要である。そこで本研究では、実臨床データに基づく処方選択支援を目的とし、処方毎の治療効果予測モデルと、当該予測モデルを搭載した2型糖尿病向け処方選択支援システム(以下、PDSS)を開発した。
【方法】米国ユタ大学の診療データ10921例をGradient Boosting Treeにて学習し、3か月後または6か月後にHbA1c<7%などの治療目標を達成できる確率を予測するモデルを開発した。予測性能の評価のため、予めテストデータとして全例の30%を除けて置き、残りの70%で5分割交差検証を行った後、テストデータにて性能評価を行った。また、予測モデルを電子カルテから活用可能にするため、HL7 FHIR®を用いた。PDSSは、ユタ大学が開発した診療支援システム(OpenCDS)と、予測API、ダッシュボードで構成される。ダッシュボードに表示する情報や予測モデルの入力特徴量は全てFHIRリソースとして電子カルテから取得し、予測結果に加え、薬価、患者加入保険の償還対象薬名、アレルギーなど処方選択に必要な情報を集約表示可能とした。
【結果および考察】処方薬剤毎の治療目標達成可否予測性能を5分割交差検証により評価した結果、Area Under the Curve(AUC)0.876±0.006を、テストデータにおいてAUC0.882となり有用性を確認した。PDSS をFHIRアプリケーションとしてユタ大学の電子カルテに実装することで、全関連クリニックから活用可能とした。
【結論】処方毎の治療目標達成確率予測を備えた2型糖尿病向け処方選択支援システムを開発した。今後、本システムの有用性を前向き臨床研究にて評価する。
【方法】米国ユタ大学の診療データ10921例をGradient Boosting Treeにて学習し、3か月後または6か月後にHbA1c<7%などの治療目標を達成できる確率を予測するモデルを開発した。予測性能の評価のため、予めテストデータとして全例の30%を除けて置き、残りの70%で5分割交差検証を行った後、テストデータにて性能評価を行った。また、予測モデルを電子カルテから活用可能にするため、HL7 FHIR®を用いた。PDSSは、ユタ大学が開発した診療支援システム(OpenCDS)と、予測API、ダッシュボードで構成される。ダッシュボードに表示する情報や予測モデルの入力特徴量は全てFHIRリソースとして電子カルテから取得し、予測結果に加え、薬価、患者加入保険の償還対象薬名、アレルギーなど処方選択に必要な情報を集約表示可能とした。
【結果および考察】処方薬剤毎の治療目標達成可否予測性能を5分割交差検証により評価した結果、Area Under the Curve(AUC)0.876±0.006を、テストデータにおいてAUC0.882となり有用性を確認した。PDSS をFHIRアプリケーションとしてユタ大学の電子カルテに実装することで、全関連クリニックから活用可能とした。
【結論】処方毎の治療目標達成確率予測を備えた2型糖尿病向け処方選択支援システムを開発した。今後、本システムの有用性を前向き臨床研究にて評価する。