Japan Association for Medical Informatics

[4-B-1-03] レセプト情報等オンサイトリサーチセンター(京都)の現状と今後の展望

大寺 祥佑1、加藤 源太1、森 由希子1、黒田 知宏1 (1. 京都大学医学部附属病院)

レセプト情報等オンサイトリサーチセンター(京都)は京都大学および厚生労働省の連携協力協定に基づき、2016年2月より試行利用を開始した。同センターは京都大学医学部附属病院に設置され、学内の臨床系および社会健康医学系の教員で構成される運営委員会の意思決定に基づいて運用を行っている。2017年度までは分析環境を評価する研究を行い、使用可能なアプリケーションの特徴やデータ規模に応じた解析機能のパフォーマンスに関する一定の見解を得た。続く2018年度には学内から募った臨床研究に関する課題5件について模擬申出を行った。その後すべての申出に対して有識者会議の承諾を得て、順次これらを実施している。申出が行われた研究領域はリハビリテーション、消化器外科、産婦人科、薬剤疫学、眼科と多岐にわたり、本抄録作成時点(2019年8月)の進捗状況は5件中2件が終了、2件が実施中、1件が待機中となっている。また2019年6月開催の第45回レセプト情報等の提供に関する有識者会議では、レセプト情報等オンサイトリサーチセンター(京都)における利用者の範囲を京都大学の外にも広げて本格稼働していく方向性について合意を得た。また本格稼働の実現を可能とするために運用側から利用者に関して、1) NDB第三者提供特別抽出の利用経験を有する、2) SQL等によるデータハンドリングを自ら実施することが可能である、3) 利用時間などは施設の利用規則を遵守できる、という条件を加えることについて同会議の承諾を受けた。学外からの申出については2019年9月の審査から受付を開始し、早ければ年内にも利用を開始できる見込みであり、今後は同センターの活発な利用が期待される。試行利用の開始から3年が経過し、レセプト情報等オンサイトリサーチセンター(京都)は学外の利用者を迎え入れる体制が整い、本格稼働の緒に就いたといえる。