Japan Association for Medical Informatics

[4-B-2] ゲノム・オミクス情報の収集と利活用に向けて

藤田 卓仙1、山本 奈津子2 (1. 慶應義塾大学、2. 大阪大学)

Genomic Data, Omics Data, Genomic medicine

ゲノム医療推進に向け、世界中で、ゲノムデータの大規模な収集と、研究開発者らへのアクセス提供が試みられている。EUが少なくとも域内1000万人分、米国が国内100万人分のデータ収集を目指すと発表しているなか、日本は、ゲノム医療の推進において、何人分を目標にし、実際それをどのように収集することができるのだろうか。さらに、本人の関与に関する課題も含め、本ワークショップでは日本の現状に即した具体的な議論を行う。
まず、岡田から、日本人の病気や体質の理解やエビデンス構築のために、ゲノム・オミクス情報に関し、統計的に何人分のどのようなデータが必要かを推計し、報告をする。
次に、川嶋から、世界の公的データベースを介して実際に研究開発者に共有されているゲノムデータがどの程度あるかにつき、報告を行う。
続いて、荻島からは、国内外のゲノム医療の研究開発におけるゲノム・オミクス情報の収集と利活用について紹介する。とくにGA4GHにおける国際的なゲノム・オミクス情報の利活用の技術開発や、新しいデータの利活用のあり方について紹介する。海外の動きにあわせて国内委員会の設置が進んでおり、希少疾患の診断、がんゲノム医療などのゲノム医療の医療実装を支える新しい動きについても紹介し、本人の関与のあり方も含めて報告を行う。
山本からは、個人情報やプライバシー保護、国際流通等の視点から、規制環境の整備や現場のルール作りの取り組み、国内で提案されている新規立法も含めて報告を行う。
最後に、登壇者によるパネルディスカッションを行い、今後の向かうべき方向性に関して議論を行う。