Japan Association for Medical Informatics

[4-B-2-01] ゲノム個別化医療をとりまく現状について

岡田 随象1 (1. 大阪大学大学院医学系研究科)

次世代シークエンサーに代表されるゲノム配列解読技術の著しい発展により、大容量のゲノム・エピゲノム情報(=オミクス情報)が出力される時代となった。日本人集団においてもバイオバンク事業を通じて大規模オミクス情報が構築されているが、これらのオミクス情報に基づいて、個人のゲノム情報に基づき最適化された個別化医療の実装については、道半ばである。特に、実装に際して要求されるのエビデンス構築について、どの程度のサンプル数で、どのような種類のデータが必要になるか、検討が続いている。個別化医療の過程で得られた患者由来のゲノム情報の活用と保護も、重要な課題である。一方、遺伝統計学や集団遺伝学における情報解析技術の発展により、個人同定やプライバシー保護に影響を与えうる課題が新たに発見されることもあり、医の倫理の専門家も交えた柔軟な対応が必要となっている。本シンポジウムでは、ゲノム個別化医療をとりまく現状について議論を深めたい。