Japan Association for Medical Informatics

[4-B-3-03] 適正な医薬品アレルギーチェックを行うための取組みと今後の課題

臼井 隆文1 (1. 日本電気株式会社)

1. 医薬品の安全使用に対するベンダとしての基本的な考え方

医療の課題を、ともに解きつづけ、問いつづける、重要なテーマと考える。その中で、適正な医薬品アレルギーチェックを行うための分類について、提案する。

2. 医薬品の安全使用のための患者プロファイル関係の機能

2015年4月に施行された食品表示法により、食物アレルギー症状を引き起こす特定原材料等27品目の表示が定められた。患者プロファイル情報として入力される食物禁忌項目もこれらの品目に準拠し、医療安全の確保に寄与している。一方、医薬品のアレルギー情報においてはアレルギーを起こす医薬品の分類が公的には定められておらず、適正なアレルギーチェックを行うためには医薬品単位の禁忌情報入力が必要である。個別医薬品コード(YJコード)の上位7桁を用いたチェックの場合、剤形によりコード体系が異なるためアレルギーを起こす医薬品の分類によるグルーピングが出来ない問題点がある。弊社では薬剤マスタにアレルギーを起こす医薬品の分類毎にコード情報を保持させ、同一コードをもつ医薬品をグルーピングさせた。患者プロファイル情報としてキシロカイン、ヨード等の分類単位でのアレルギー情報を入力することにより、同一分類にグルーピングされた複数の医薬品のアレルギーチェックを一括で行うことが実現できている。

3. 現行システムでの課題

医薬品アレルギーに関する分類の対象項目については今後どのようにして見直しを進めるべきかの議論が必要である。食品表示法と同様、医薬品アレルギーに関する分類について学会等による業界標準的な項目選定がされることで、より一層の医療安全に繋がると考える。