Japan Association for Medical Informatics

[4-B-3-04] 患者プロファイルと医療安全に関する電子カルテシステムにおけるチェック機能の現状と課題

大野 真由1 (1. 日本アイ・ビー・エム (株))

初めに、患者プロファイルと医療安全の観点から、医薬品に関する弊社の電子カルテシステムの機能を2つ記載する。
1点目は、患者プロファイルの活用である。
身長、体重は抗がん剤や患者に応じた医薬品の適正量を計算するために、アレルギー情報はアレルギー薬剤の誤投与による事故を防止するために、それぞれ活用している。
2点目は、テンプレート情報の患者プロファイル保存機能である。
カルテ記載時にテンプレートを使用することで、テンプレートに記載した内容を患者プロファイルに登録できる。
次に、弊社として課題と考えている点について2点を取り上げる。
1点目は、チェック対象のタイミング網羅である。
前述したチェック機能は処方、注射オーダ時のチェックに限定されており、処置や検査薬剤については実施されていない。
2点目は、人的判断が必要なチェックである。
医薬品の添付文書に記載されている全ての成分に対しチェックを行うことが望ましいが、エラーチェックが厳しくなることで実運用に適さないチェックが多くなると想定される。
更に、例えば処方する医薬品と患者に登録された病名の関連を判断したり、点眼薬と眼内挿入物の併用禁忌を判断したり、最終的に人の判断が必要である。システムのチェック機能のみでは正しいエラーチェックが期待できない場合がある。
最後に、我々は電子カルテベンダーとして、登録されている患者プロファイル情報を必要なタイミングでチェックし、医療安全に役立てる電子カルテシステムの構築を目指す。更に、エラーが実運用に適さない場合については、医師が正しい判断を行うための情報を提示することで貢献したいと考える。
そのためには正確な患者プロファイルの入力も必須となり、患者プロファイルへの登録以外に、アレルギーの副作用や経過などの情報をカルテ記事に記載している情報も患者プロファイルで管理することが望ましい。