Japan Association for Medical Informatics

[4-C-2-03] 自身の健康状態を短時間で把握できる健康診断Personal Health Recordサービスの構築

武田 理宏1、真鍋 史朗1、松村 泰志1 (1. 大阪大学大学院医学系研究科医療情報学)

Personal Health Record, Health Checkup, Metabolic Syndrome

【背景】日本では、法制度上、生涯何らかの健康診断(健診)を受けることができる。近年、あらゆる情報にスマートフォンでアクセスするサービス形態が普及した。個人が、健診データをスマートフォンでアクセスできるPersonal Health Record (PHR)サービスは、広く受け入られる可能性が高く、自らの健康管理の意識を高め、予防行動、受療行動を効果的に誘導できる可能性がある。

【目的】自身の健康に興味が少ない受診者が自身の健康状態を短時間で把握できる健診PHRを構築すること。

【方法】自身の健康状態を一目で把握できる健康状態一覧画面のデザイン(表示項目、シェーマデザイン、時系列を含めたデータの提示方法)について検討を行った。次に、特定健診結果の解釈コメントを表示するために厚生労働省が提供する標準的な健診・保健指導 プログラム(平成 30 年度版)の「健診結果とその他必要な情報の提供(フィードバック) 文例集」を利用した。

【結果と考察】健康状態一覧画面には、体型(BMI)、血圧、脂質、糖代謝、喫煙の情報を表示させた。体型、血圧については、低値2段階、正常、高値4段階、脂質、糖代謝については正常、高値4段階、喫煙については、喫煙中と禁煙のシェーマをデザインした。時系列で表示することで過去データからのデータの悪化に気づかせる画面構成を検討した。
解釈コメントについては、Webでスペースの制限なくコメントを表示できるため、受診者に有用な情報をフィードバックできた。高血圧、脂質異常症については薬剤治療中のステータスがコメントに反映できていないこと、喫煙についてのコメントの表示方法に課題が見つかった。

【結語】自身の健康状態とその問題点を健康状態一覧画面と解釈コメントで提示するPHRサービスを構築した。このPHRサービスは予防行動、受療行動を効果的に誘導できる可能性がある。