一般社団法人 日本医療情報学会

[4-C-3-03] 医療安全と業務効率化を意識した小児医療現場でのセット作成の工夫

小田 洋一郎1 (1. 茅ヶ崎市立病院)

薬剤の1回量処方が医療現場に忍び寄ってきている。茅ヶ崎市立病院では2016年10月より茅ヶ崎市立病院ではNEC社製のMegaOak/iSを導入したのを機会に、電子カルテでの処方入力が1回量処方となった。成人の場合は、錠剤の処方で1回量は1錠なし2錠が多く混乱は少ないと考えられる。一方小児では、散剤は製剤量のgないし力価のmgで入力、シロップではmLで入力するので、1日量処方から1回量処方に変わる時に誤入力のリスクが高い。また、大学医局からの派遣のため毎年春に医師の1/4~1/3が異動し、非常勤の応援医師も勤務している状況で、他病院の電子カルテが1日量処方、1回量処方、製剤量入力、力価入力とまちまちであると誤入力のリスクはさらに高まると思われる。
医療安全と業務効率化を考慮し、頻用薬のセット化を進めることで対応を図った。小児の場合体重や年齢で用量が異なるので成人のような1回1錠1日3回毎食後といったセットでは対応できない。おおまかな体重毎に頻用薬の処方セットを作成し、それを取捨選択することで処方箋を完成させる形とした。また、業務のワークフローに合わせ、1つのセットに複数のオーダー種を含ませ展開時に取捨選択するようにして、医師の入力時の負担軽減を図った。この仕組みは、MegaOak/iSの「クリニカルデスクトップ」という機能を用いて実現している。クリニカルデスクトップの仕組みと、ユーザーが考える拡張の方向性についても議論したい。