Japan Association for Medical Informatics

[4-C-3-04] HCIを用いた仮想サーバの導入メリットと問題点

堀木 裕司1 (1. 豊田若竹病院)

当院は、愛知県豊田市の南部にH30年に新築開院した250床の病院である。省スペース化のため、設計時から紙カルテ保管場所は存在せず、電子カルテの導入が決定されていた。
一般的にサーバは、ハードウェアの保守期限が5年(又は7年)と決められており、保守期限が過ぎるとハードウェアだけでなくその上で稼働する Server OSや、OS上で稼働するDB等のミドルウェア、さらに電子カルテのアプリ更新も余儀なくされることになる。また、これらは1台のサーバだけではなく、同時期に導入した他のシステムのサーバの更新も必要となる。
このため当院ではHCI(Nutanix)を用いた仮想サーバを導入し、ハードウェアとソフトウェアの更新タイミングを分離することで経費が一時に集中することを避けることとした。
また、システム導入時に病院側でサーバとライセンスを用意することで、サーバ・UPS等のハードウェア費、ライセンス統合によるソフトウェア費、ベンダーのエンジニアリング費等、システムの総コストを下げることが出来た。また、導入時のサーバ調達時間の制約を外すことが出来た。
さらに、サーバが1台で済む為、ハードウェア保守費や電気代、空調費等のランニングコストも抑えることも出来た。
電子カルテを使った速度面での印象は、仮想化している為に遅い...という感覚はなく、ベンダーのSEによれば、これまで見たサーバの中でも一番早いとの評価である。
デメリットとしては、サーバを完全にシャットダウンする際、30もの仮想ゲストOSを順に停止するのに時間がかかる点である。また、当サーバはLinux上で稼働している為、Linuxのコマンドに精通した要員が必要である。
Nutanixは、まだ国内の病院では導入実績が少なく、販売商社の手厚いサポートも望めないが、HCIならではのメリットを生かして経験を積んでいきたいと考えている。