Japan Association for Medical Informatics

[4-D-1-01] SSMIX2拡張ストレージ出力標準フォーマットSEAMAT(Standard Export data forMAT)

中山 雅晴1 (1. 東北大学大学院医学系研究科医学情報学)

心電図や心臓超音波、心臓カテーテルなどの検査は、循環器疾患を診断する上で必須の検査である。いずれも画像検査であるが、例えば心電図であれば心拍数やQRS幅、QT時間など特徴量を数値で持ち、心臓超音波検査では駆出率や左心室径、心臓カテーテル検査であれば冠動脈硬化の狭窄度など、同様に数値データが重要な結果値となっている。これらのデータは通常臨床のみならず、臨床研究においても重要であるが、院内の生理検査システムから他の患者情報とともに抽出することは決して容易ではない。現在、病院情報システムからの診療データ抽出はStructured Medical Information eXchange(SS-MIX2)の活用を中心に進んでいる。しかしながら、患者基本情報、病名、血液検査、処方、注射など標準化ストレージに格納されるデータが中心となっており、専門分野のデータの収集は拡張ストレージからの利用を検討する必要がある。2016年にIHE-J循環器委員会と日本循環器学会とが協力し、SS-MIX2拡張ストレージに循環器特有の検査を出力する際の標準フォーマットStandard Export data format(SEAMAT)を定めた。SEAMATにより検査項目名や単位の標準化、およびLogical Observation Identifiers Names and Codes(LOINC)という国際標準コードとの紐付けが示されている。さらに、日本心不全学会、日本不整脈心電学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心臓核医学会、日本心臓リハビリテーション学会など多くの循環器関連学会も加わり、SEAMAT研究会が発足した。そこでは、項目の修正や整理とともに、さらなる対象範囲の拡大が検討されている。例えば、ホルター心電図や負荷心電図、心肺運動負荷試験などに着手しており、今後、脈波伝播速度や足関節上腕血圧比などにも取り組みたいと考えている。また、多施設間のデータ突合および検証が行われ始めており、複数の施設から循環器疾患検査項目が標準化されて集積し、大規模にデータを活用する素地が形成されてきている。