[4-D-1-02] 多モダリティ循環器診療情報を収集するCLIDASデータベース
循環器疾患、とくに心筋梗塞、脳卒中を代表とした虚血性心血管病は、日本人の生活の質を損ねる重大な疾患領域である。疾患領域に特徴的に発展した心電図、心臓超音波検査や心臓カテーテル検査・心臓カテーテルインターベンション治療の所見は構造化可能なデータの集合であり、大規模臨床試験のエビデンスに基づく薬物療法などの診療情報とともに、構造化データとして個別患者のリスク予測や治療プロセスの再評価に利用されるべきであるが、多モダリティの診療情報を電子的に収集するシステムは存在しなかった。我々は日本循環器学会およびImPACT事業の支援を受け、電子カルテにおける患者基本情報、処方、検体検査データをSS-MIX2標準ストレージから、また、生理検査や心臓カテーテル検査・心臓カテーテルインターベンション治療レポートの情報をSS-MIX2拡張ストレージから収集するJapan Ischemic Heart Disease Multimodal Prospective Data Acquisition for Precision Treatment(J-IMPACT)システムを開発し、多施設データベース研究としてClinical Deep Data Accumulation System(CLIDAS)として発展させてきた。本発表では、CLIDASを用いた臨床研究事例について紹介し、多モダリティの診療情報を利用した臨床研究の展望について議論したい。