Japan Association for Medical Informatics

[4-D-2-01] 大学生を対象とした睡眠および生活実態調査からみる睡眠教育に関する検討

平 直幹1、真嶋 由貴惠1 (1. 大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科)

Sleep education, Nap, EEG, Behavior modification, University student

睡眠とは心と体,両方の休養・回復のために欠かすことのできない生理的な行動である.また,人は夜間に睡眠を取ることによって脳の休息状態が確保され,それが昼間の覚醒状態を作り出すというリズムを作り出しており,幼少期にある程度一定化すると言われている.一方で,日本国民の睡眠時間は他の先進国に比べて1時間以上短いことや,5人に1人が睡眠時に何らかの障害を抱えていることが明らかになっている. このような状況から健康日本21では「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」を提唱し,そのひとつとして睡眠によって休養が十分にとれていない人 の割合を18.4%から15.0%にまで減少させる目標を策定している.しかし,現代の大学生をみてみると,それまでの小学校・中学校・高等学校とは異なり,始業時刻が統一されていないことや学年が上がるにつれて授業数が減少すること,また夜間に渡るサークル・部活動,アルバイトなどが原因で不規則な生活から,睡眠のバランス・リズムが崩れ,「睡眠負債」の状況に陥っていることなどが報告されていることから,正しい睡眠教育と行動変容への支援が必要である.
そこで,本研究では,睡眠リズムの乱れやすい大学生を対象に正しい睡眠教育を行うための前段階として,生活実態から「睡眠負債」の状況を調査・分析し,行動変容へ向けた課題を明らかにすることを目的とする.そのために,本稿では,まず大学生を対象にした睡眠実態調査の先行研究の検討を行った.その結果,ある調査では,生活環境の変化等により8割近い人数が睡眠の質が悪いことが明らかになった.協力の得られた対象者に自記式アンケート調査により,睡眠および生活実態調査を実施した.また併せて,脳波計を用いて睡魔の襲うと言われている14時頃の脳波を測定し,日常の睡眠状況と脳波の関連性を明らかにすることを試みた.本稿では,その結果について報告する.