Japan Association for Medical Informatics

[4-D-2-02] 看護研究指導における遠隔面談の活用可能性の検討

高島 真美1、杉山 良樹2、山田 友美2、疋田 裕紀3、小林 日香里3、高見 美樹4、石垣 恭子4 (1. 医療法人医誠会 看護研修センター, 2. 医療法人医誠会 医療情報部, 3. 医療法人医誠会 神崎中央病院 看護部, 4. 兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科)

Nursing research instruction, Remote Interviews, Applicability

A医療法人では、各病院の臨床看護研究のサポートとして、法人本部の看護教育担当者(以下、本部指導者)が出向く対面面談による指導を実施している。しかし、法人本部から遠方に位置する病院は、本部指導者の時間的及び経済的制約があり、定期的な面談が難しい状況にある。そこで、遠方の病院においても本部の看護研究サポート機能を最大限に活用できるよう、B病院と法人本部でMicrosoft社のTeams®のビデオ通話会議機能を利用した遠隔面談を試行した。

試行期間は2018年4月から2019年3月までの1年間であり、従来の対面面談2回と遠隔面談2回を交互に実施した。遠隔面談ではプロジェクタを用いて面談の画面を面談者とB病院の看護研究指導者全員で視聴できるようにした。指導内容は、対面面談では、研究テーマの検討と抄録作成、遠隔面談ではデータ分析と発表練習とした。

試行期間終了後にB病院にて遠隔面談の準備及びサポートとその後の研究指導を担当した看護師5名に対して1時間のグループインタビューを実施した。その内容を分析した結果、遠隔面談のメリットは、「交通事情に左右されない」、「PC上に修正済みのデータが残る」、「データ分析やスライド修正のPC操作画面を全員で視聴できる」、「データの確認が何度でもできる」などであった。一方、デメリットは「器材の準備が必要」、「通信トラブルリスクに対する不安」、「ソフトの操作の不慣れ」「画面に映る面談者と映らない面談者に温度差がある」「当日の資料差し替えができない」「非言語コミュニケーションが不足する」などがあった。

以上より、看護研究指導の面談のうち、データ分析や発表練習などスキルに関する指導は遠隔面談にて代替可能であるが、テーマの検討や結果の解釈などの思考することに関しては対面面談が望ましいと考える。