Japan Association for Medical Informatics

[4-D-3-01] 標準化DWHの求めるデータ品質と標準規格の要件

木村 映善1 (1. 国立保健医療科学院)

不正確なデータは間違った結論を導き出すことにつながり、臨床診断支援、医療安全、病院経営分析に影響を及ぼす可能性がある。データ品質の低下は、発生源、DWHへの取り込み、DWH項目へのマッピング、データベースからのクエリ手法等の各過程で発生しうる。SDMはDWHの構造の標準化(主にRDBMSでの利用を想定したスキーマ構造の統一)によってデータ抽出手法を標準化することで、DWHのクエリ作成における解釈と実装を統一化できることを狙いの一つにしている。但し、現状では電子カルテからSDMへのETLの手法は統一されておらず、また電子カルテ側の「仕様」に引きずられている部分がある。SDMの導入事例が少ない今は、SDMに習熟した担当者と電子カルテベンダーの担当者とが顔をあわせてETLの妥当性について議論ができる。しかし、SDMが今後普及するためには、ETLの内容について責任分界点の整理と品質保証できる仕組みを開発し、担当者への従属性を減らさなければならない。現在はその責任分界点をFHIRのWebサービスに設定することを検討している。電子カルテベンダー側はFHIRのProfileを充足し、またFHIRに関して開発された品質確認ツールを利用して一定程度のデータ品質が保証されたデータAPIを提供する。SDM側はFHIRとSDM間のマッピングをオープンソースで開発し、標準化されたETLツールとして公開する。その為には、SDMでの標準化項目がFHIRの標準化項目、Profileとも整合性を取っていく必要がある。本発表ではSDMの検査、アレルギーと、FHIRにおける関連するResource,Terminologyとにおいて検討し、今後のSDMとETL設計における方針の方向性について提案する。