[4-D-3-03] 品質の問題が地域医療に及ぼす影響
地域医療における医療情報の品質による影響を考える場合、その生成と利用の面から考える必要がある。生成面からはベンダー毎の電子カルテの相違点がある。電子カルテのDBが異なり、ここから抽出する場合の問題がある。この場合、SDMのように意味、概念からの統一性は有効である。また、地域医療では医療機関の規模、形態の違いからの影響もある。つまり診療所と病院の業務フローでは業務分担の方法も異なる。また、医師、看護師の専門性からも異なると言える。専門が循環器と糖尿病では血圧測定の実際や、症状の記載も異なるであろう。この状況ではSemanticな定義よりも同時計測する客観的な情報の必要性を求める意見もある。利用側では地域医療の医師、看護師の教育を受けた機関の違い、その後の専門性の差異は同じデータ利用にも影響すると思われる。解釈、重要度、方針などの付与が望まれる。例えば投薬開始後のフォロー項目などがある。また、薬の副作用発現を見つけるため、問診、検査情報が要求され、処方変更時にはその理由が知りたい。医療継続には客観的な行為、結果に加え、その考えが必要である。多くのデータの2次利用には客観的なデータが要求されるが、医療連携では行為と考え方、重症化時の薬剤追加等の方針の伝達も重要である。これらも2次利用に用いることもあると思う。さて、具体的には、情報伝達の枠組みは現在SS-MIX2形式のオーダ系情報に診断と医療行為があり、退院時サマリ、日々記録、手術記録は拡張ファイルとして保存される。SDMとしてはこれらにマッピングするか、新たなファイルを定義するか、の方法が考えられる。後者にはHL7 FHIRが考えられる。ベンダー間の相違点を確認検証するにも、地域連携におけるHL7 FHIR出力が良い戦略と考える。