一般社団法人 日本医療情報学会

[4-E-2] 『標準化』の活用 -システムの接続からBig dataの時代へ-

篠崎 和美1、柏木 賢治2、越後 洋一3,4、奥田 保男5、木村 通男6、吉冨 健志7、永田 啓8 (1. 東京女子医科大学眼科、2. 山梨大学医学部眼科、3. 日本光電、4. 日本IHE協会、5. 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構、6. 浜松医科大学医療情報部、7. 福岡国際医療福祉大学、8. 滋賀医科大学医療情報部)

standardization, big data, SS-MIX2

システム・機器の接続のための『標準化』が、現在はBig dataの研究のためにも『標準化』が求められる時代となった。

医療情報の『標準化』への取り組みを始めた約15年前は、医療情報の相互運用性の向上により、システム間、システムと機器の効率のよい接続、費用負担の軽減、日常診療の安全性や質の向上や円滑化を図ることが第1の目的だった。

最近ではBig data を活用した研究が盛んに行われるようになり、人工知能への活用を目指すものも多い。Big dataによる研究では、様々な施設で様々な機種で行われた医療情報を収集し、分析を行うことになる。画像データの分析をする場合も、付帯情報が不可欠である。効率よく有効なデータを多量に収集し、分析を行うためには、画像データとともに、この付帯情報のデータの『標準化』も必要とされる。日常診療の記録として負担なく情報を収集、保管ができ、かつBig dataによる研究に活用できる医療情報の『標準化』が望まれる時代になった。

学会を中心に、Big dataによる研究のための医療情報の『標準化』を進めている診療科も増えてきた。眼科領域もBig dataを活用する緑内障研究へ取り組みを始め、そのための付帯情報の『標準化』を進めている。循環器領域での疫学研究、放射線領域の医療被ばく研究も、Big dataを活用するものであり、データの出力の『標準化』、またSS-MIX2の利用がなされている。研究のための医療情報の『標準化』を進めていくなかで、画像、付帯情報のレポート内容、SS-MIX2の利用方法は、将来を見据えたものでなければいけない。

そこで今回、発展性のあるBig dateの研究にするため、医療情報の収集の『標準化』に取り組みながら進めている眼科領域の緑内障研究、循環器領域での疫学研究、放射線領域の医療被ばく研究における現状についての情報交換を行い、各々の医療情報の『標準化』やSS-MIX2の利用方法の見直しも行い、より有効な発展性のあるBig dateとする医療情報収集の『標準化』のポイントを見出す。