Japan Association for Medical Informatics

[4-E-2-02] 緑内障におけるデータ標準化とビッグデータの活用

柏木 賢治1 (1. 山梨大学医学部)

緑内障は中年期に発症し、緩徐に進行する不可逆性の視神経障害疾患である。本邦を含む先進国においては失明原因の上位を占める重要な眼科疾患であり、生涯にわたる診療が必要な疾患である。罹病期間が長期にわたるため、診療の適切性の判断や予後の判定などには長期にわたるデータ収集が重要である。診療は複数の医療機関にまたがることが多く、データの標準化は必須である。以上の状況から、日本緑内障学会では数年前から診療データの標準化に取り組んできた。さらに、この取り組みを基盤として、2年前からAMEDからの助成を受け、眼科ビッグデータ収集体制の構築と収集されるビッグデータを人工知能(AI)を用いて研究し、診療や研究に活用するプロジェクトが進められている。今回はこれまでの緑内障におけるデータ標準化の取り組みと現在の日本眼科学会が進めているビッグデータ・AI研究についてご紹介したい。