Japan Association for Medical Informatics

[4-E-2-04] 放射線部門における線量管理と記録の現状

奥田 保男1 (1. 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構)

放射線を利用した診療は多様化し、世界的に医療被ばく線量が増加してきていることが、国際科学委員会(United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation:UNSCEAR)より示されている。医療における年間被ばく線量の世界における平均値は0.6mSvであるが、我が国は3.87mSVとおよそ6倍である。医療に用いる放射線被ばくには線量限度(規制された線源からの被ばく量の総和を制限するためのものであり職業被ばく、公衆被ばくには限度がある)は適用されないが、過剰な照射を避けなければならないことは言うまでもない。厚生労働省主導のもと2020年度4月から医療における被ばく線量の記録の義務化が進められている。ここでは検査の選択にかかる正当化と線量の最適化がキーワードといえる。

また、医療被ばくに関連した情報を電子的に収集する手法としては、DICOM(PS3.16)で規格化されているRadiation Dose Structured Report(RDSR)を利用することが一般的である。量子科学技術研究開発機構では、広域における被ばく線量の収集/分析を目的としてDIR(Dose Index Registry)の試行を2014年度より開始しており、すでに40万件以上のデータを収集している。本ワークショップではこれの具体的な方法と運用、および分析結果などについて紹介する。