Japan Association for Medical Informatics

[4-F-1-04] がんゲノム情報登録システムの開発

真鍋 史朗1、武田 理宏1、小西 正三1、松村 泰志1 (1. 大阪大学大学院医学系研究科 情報統合医学講座 医療情報学)

Genome Sample Management, Clinical Information, Sample Identification

がんゲノム変異を検出する遺伝子パネル検査の保険診療が開始され、今後、がんに対する治療法の解析が進むことが期待される。そこで必要なのは検査結果だけでなく、患者の診療症状の情報である。そのため、医療者がいかに臨床情報を容易に入力可能とするかといったことが求められる。我々は電子カルテと連携した多施設臨床研究支援システム(CDCS)および、検体IDを管理するサンプル情報管理システムを開発・運用している。今回、これらのシステムをがんゲノム医療に適用したので報告する。

本システムは、臨床情報を一元的に収集する臨床研究センターサーバー、臨床情報の一時保存や被験者IDと患者IDとの連係情報を管理する臨床研究サイトサーバー、遺伝子サンプルIDやエキスパートパネル用の報告書などを管理するサンプル管理センターサーバー、および、サンプル管理IDの管理と報告書などの閲覧を行うサンプル管理サイトサーバーから構成される。センターサーバーは大阪大学データセンターに、サイトサーバーは各医療機関に設置した。

がんゲノムパネル検査に同意した患者をCDCSで症例登録すると、被験者IDが発番される。サンプル管理システムでは被験者IDをベースにしたサンプル管理IDが発行され、検体はそのIDを用いて管理を行う。遺伝子検査用の検体はサンプル管理センターサーバーで遺伝子サンプルIDを発行することにより検査結果が管理される。遺伝子検査の結果は遺伝子サンプルIDで管理し、サーバーに登録する。サンプル管理センターサーバーに登録された検査結果はサイトサーバーで閲覧することが可能となり、臨床情報と合わせることでエキスパートパネル用の資料作成が可能となる。各種資料はユーザーの権限管理により担当医のみが閲覧可能とするなどの閲覧制限を行った。

これらの機能により、多施設でのがんゲノムパネル検査に関する運用およびデータの管理が可能となった。