Japan Association for Medical Informatics

[4-P1-1-03] 注射薬調剤監査システム導入による注射薬調剤過誤防止への効果

岡本 卓也1、島村 圭二1 (1. 医療法人社団 誠馨会 千葉メディカルセンター 薬剤部)

Injection medicine dispensing inspection, PORIMS, Dispensing errors prevention

【目的】2019年4月に厚生労働省より「調剤業務のあり方について」、調剤に最終的な責任を有する薬剤師の指示に基づき、当該薬剤師の目の届く場所で薬剤師以外の薬剤取り揃えが可能となった。当院では注射薬調剤において薬剤師以外の人員による注射調剤監査システムを使用しての取り揃えと、薬剤師による調剤監査にて注射薬計数調剤過誤防止の効果への取り組みを行ったので報告する。

【方法】当院薬剤部では注射薬の取り間違い防止対策として、2019年1月より注射薬調剤監査システム[ピッキングサポートシステム:Hp-PORIMS]を導入した。

調剤方法:①調剤助手(SPD)が翌日分の入院注射箋・病棟別薬品集計表などを出力する。②SPDは集計表のバーコードをHp-PORIMSのハンディターミナル(iPod touch)にて読み取り、薬品名や集計数が表示されるので、それに基づいて取り揃える。③SPDがハンディターミナルで入院注射箋のバーコードを読み取ると患者毎の注射薬と数量が表示されるので、それに基づき注射薬本体のバーコードを数量分読み取り、取り揃える。④薬剤師による調剤、監査を実施する。また、2018年1月~4月のHp-PORIMS導入前の注射薬インシデント件数とHp-PORIMSを導入した2019年1月~4月の注射薬インシデント件数を比較した。

【結果】2018年1月~4月は注射処方枚数28879枚、インシデントは2件(規格間違い1件、計数間違い1件)、2019年1月~4月は注射処方枚数28643枚、インシデント0件であった。

【考察】システムを導入してから、注射薬調剤のインシデントは発生していない。結果、Hp-PORIMSが調剤過誤防止に有用であることが明らかとなった。また、システム導入により、薬剤師以外の人員での取り揃えが可能となり、薬剤師の業務量を軽減し、他の業務に薬剤師の人員を配置できた。