Japan Association for Medical Informatics

[4-P1-1-04] 電子カルテDBとODBC接続した簡易懸濁情報提供システムの運用
~経管患者への更なる薬剤適正使用を目指して~

竹下 理紗1、岩尾 恭寛1 (1. 社会医療法人池友会 福岡新水巻病院 薬局)

simple suspension method, Drug information, Microsoft Access

【目的】当院では経管患者に対して簡易懸濁法により投薬を行っている。簡易懸濁情報の提供方法として、当院処方薬は処方箋控に記入していたが持参薬に関しては看護師が採用薬懸濁情報一覧にて確認、また非採用薬で一覧に情報がない場合は薬局へ問い合わせを行っていた。薬局でも非採用薬の情報を蓄積していなかったため、問い合わせ毎に情報収集しており業務が非効率であった。今回持参薬を含む全ての内服薬に対して簡易でわかり易い簡易懸濁法情報の提供を目的とし簡易懸濁情報提供システムを構築し運用を行った。

【方法】システムはMicrosoft Accessにて構築、簡易懸濁法研究会や製薬会社から得られた懸濁情報をデータ化した。また電子カルテDBとODBC接続しており、処方箋に印字されたバーコードを読み込む事で、DB内の内服薬のオーダー情報と懸濁情報を一覧で表示した「簡易懸濁情報シート」が発行される。経管開始時、調剤時、持参薬開始時にこのシートを発行し病棟へ配布した。またシートでの運用の評価を行うために看護師に対してアンケートを行った。

【結果】システムの運用により、採用薬だけでなく非採用薬の懸濁情報も容易に看護師に提供出来るようになった。また「簡易懸濁情報シート」にて情報提供を行ったことは、73.7%が「以前よりよくなった」と答え、「服用中の薬剤の懸濁方法が一覧になっているので確認が行いやすい」、「持参薬の懸濁方法を調べる必要が無くなった」などの意見が得られた。

【考察】今回採用薬だけでなく非採用薬の懸濁情報もデータ化し簡易にシートを発行させることで情報収集を行う時間が短縮された。また懸濁情報をシート1枚にまとめることで、看護師の確認が容易となり看護業務の軽減に繋がった。これらのことから本システムの運用は薬剤師だけでなく看護師の業務効率が向上し、また経管患者に対して薬剤の適正使用に貢献できることができたと考える。