Japan Association for Medical Informatics

[4-P1-2-01] 薬剤関連の情報リテラシーの現状と課題 ―薬剤情報リテラシー教育研究会 調査報告―

池田 和之1、岡橋 孝侍2、木下 元一3、小枝 伸行4、関谷 泰明5 (1. 奈良県立医科大学附属病院 薬剤部, 2. 京都第二赤十字病院 薬剤部, 3. 名古屋第二赤十字病院 薬剤部, 4. 八尾市立病院, 5. 岐阜県総合医療センター 薬剤センター)

Drug information system, education, Medical Professional

【背景】近年、医療現場でも情報システムの普及が進み、これらなしに業務を行うことができない。しかし医療専門職の教育等において、情報システムの取り扱いを含めた情報システムのリテラシー教育を受ける機会は十分とは言えない。

【目的】医療専門職ならびに医療機関等で医療情報システムに関連する業務を行っている職員およびシステムベンダなどにおける薬剤関連の医療情報(以下、医療情報等とする)のリテラシーについて調査を行い、医療情報等の教育の現状とその課題を明らかにしたい。

【方法】薬剤に係る業務に興味のある職員及び薬剤関連システムベンダを対象にアンケート調査を行った。アンケートは、薬剤師の講習会や医療情報技師のセミナー等で依頼しWebによる回答とした。
【結果】2019年6月現在、82件の回答があった。回答者の内訳は、薬剤師が79.3%医療専門職以外が14.5%と続いた。「大学、専門学校等で医療情報等に関する講義を受けたか」との問いには、75.6%が受けていないと回答した。さらに、「医療情報等に関する内容はどこで研修(学習)すべき」との問いには、大学・専門学校等が58.5%、職能団体の研修が48.8%、医療情報技師のセミナーが42.7%となった。なお、「医療情報技師(上級を含む)の資格」については、52.4%取得していると回答した。

【考察】本調査は、薬剤師の講習会や医療情報技師のセミナーで回答を募ったため、回答する医療専門職種や医療情報技師の取得の有無についてかなり偏りがある。しかし、薬剤領域の情報システムを利用する医療専門職は、薬剤師が多数を占めておりさらに、これらを管理する技術者は医療情報技師の資格を持つものが多い。これらに関する知識は、大学等の養成カリキュラムや卒後の職能団体等における研修の一環として習得すべきとの回答が多い。今後はさらに回答を募り現状を明らかにしたい。