Japan Association for Medical Informatics

[4-P2-1-02] 手術材料マスターの運用管理に関する検討

山下 暁士1、白鳥 義宗1、舩田 千秋1、大山 慎太郎1、小林 大介2、佐藤 菊江1、菅野 亜紀1、古川 大記1、堤 英樹3 (1. 名古屋大学医学部附属病院 メディカルITセンター, 2. 神戸大学大学院医学研究科 地域社会医学・健康科学講座 医療システム学分野 医療経済・病院経営学部門, 3. 富士通株式会社)

GS1 Code, Medical Materials, Master Data

【目的】手術材料マスターの運用・管理について新しい試みを行ったので、その効果を検討する。

【方法】2018年1月より当院で新病院情報システムが稼働したが、特定保険医療材料と一部の医療材料についてはバーコードを読むことで全て登録する仕組みを採用した。これを実現するため、バーコード読み込みが必要な材料については全てマスターにGS1コードを登録する運用とした。しかし、手術材料は常に新しいものが出てくるため、初期にはしっかり登録されていたとしても、すぐに未登録材料が増えて品質が低下してしまう。

これを回避するために、以下のルールを作成して事前登録がなるべく行われるように計画した。

・未登録材料を使用する場合は、使用前に担当のベンダーが仮登録を行う。実際に使用されたものは本登録される

・仮登録がされていない物品が使用された場合、事前に承認を経ていないものを使用させたということで、当該ベンダーへのその物品の支払いはしない

・已む得ない事情で未登録材料を使用した場合は、早急に手術材料マスターに登録する

効果の検討のため、新システム稼働開始から2019年6月16日までの手術材料読み込みデータを調査した。

【結果】調査期間中にバーコードを読み取られた4259種類、320833個の手術材料の中で、仮登録された材料が読み込まれた回数は102種類206個(0.06%)、未登録材料が読み込まれたのは11656個(3.63%)であった。

【結論】今回の検討の結果、本取り組みはあまりうまくいっていないことが分かった。事前に当院に納入しているベンダーには説明会を行い理解を図ったが、当院の調達担当者の理解も不十分だったため、未登録材料があっても調達担当者が当該ベンダーに注意もしていないことが原因と考えられた。今回の調査で明らかになった問題点を改善し、マスターの品質を向上するよう努力していく予定である。