Japan Association for Medical Informatics

[4-P2-2-04] スマートフォンアプリを利用したテンプレート書式入力の省力化

佐々木 恵利奈1、菅原 綾子5、根来 健一4、諸井 林太郎2、角田 洋一2、中村 直毅1、中山 雅晴1,3 (1. 東北大学病院 メディカルITセンター, 2. 東北大学病院 消化器内科, 3. 東北大学大学院医学系研究科医学情報学分野, 4. 宮城刑務所 医務部, 5. 東北大学病院 医療情報室)

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【はじめに】東北大学病院の消化器内科下部消化管グループでは、潰瘍性大腸炎、クローン病患者の診療状況を記録している。患者が紙に記載したものを、診察後に手動で転記し管理していたが項目が非常に多く入力に時間を要し、入力・転記間違いや記載漏れが生じるなどの課題を有していた。

【目的】電子カルテのテンプレート機能を使用して、潰瘍性大腸炎、クローン病患者の診療情報を短時間で正確に入力できる仕組みを確立する。

【方法】富士通製電子カルテのテンプレート機能eXChartを用いて潰瘍性大腸炎用とクローン病用の書式を作成、検査値等診療支援システムが保持している情報は自動取得するよう設定、CDAI、CAI、MAYO等各スコアは自動で計算する。外来受診時に患者自身が症状を入力し、その情報をQRコードで表示するスマートフォンアプリを作成、生成されたQRコードをスキャンすることでeXChartの各フィールドに反映できるようスクリプトを構成する。

【結果】書式をeXChartで作成するとともに、スマートフォンアプリを作成した。開発した仕組みを活用することで、紙データを手動入力する場合と比べて、入力ミス、入力漏れは減少し、入力に要する時間も大幅に短縮された。書式入力の時点ではまだ血液検査結果が出ていないケースも多く、過去日の値を自動取得してしまうという課題もあったが、検査値を自動取得しないよう設定変更し、記載当日の値を後で取得できるボタンを配し解決した。

【まとめ】eXChartでは、電子カルテが保持していない項目は入力作業が必要だが、スマートフォンアプリを活用することで効率的な情報入力が可能となった。現在のアプリは一回分のデータしか入力できないため、複数回分の情報を登録・保存できるようにし患者さんの自己管理にも役立てるようにすることが今後の課題である。