Japan Association for Medical Informatics

[2-A-1-02] J-CKD-DB、J-CKD-DB-Exの概要紹介

*Hajime Nagasu1 (1. 川崎医科大学 腎臓・高血圧内科学)

EHR, CKD, SSMIX2


腎疾患患者は年々増加しており、約1300万人が慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)に該当する。CKD患者は腎不全のみならず、脳卒中、心疾患を高率に発症し、日本人の健康寿命延伸を阻害する重大な疾患群である。CKDの病態は多様化しており、臨床的特徴を捉えることが重要な課題となってきた。原疾患が単一でないことも多く、糖尿病に起因する腎障害においても急速に腎機能が低下する例(rapid decliner)、タンパク尿がなく腎機能が低下する非典型例が増加している。これらの臨床課題を解決するべく2014年度、日本腎臓学会は厚生労働省臨床効果データベース事業として、日本医療情報学会と共同し新規全国規模の包括的慢性腎臓病(CKD)臨床効果情報データベース(J-CKD-DB)の構築を目指した。慢性腎臓病(CKD)はeGFR 60mL/分/1.73㎡未満、あるいはタンパク尿(+)で定義され、包括的な疾患概念である。J-CKD-DB構築手法はSS-MIX2を活用し、電子カルテ情報からCKD該当例のデータを自動抽出しDB化するものである。現在、15施設で抽出作業が終了し、慢性腎臓病データベース(J-CKD-DB)として14万8000件の臨床データが収納されている。また、J-CKD-DBを活用し、縦断的データベース構築も進んでおり、すでに5施設15万2000件のデータ収集が終了した。J-CKD-DBの一次解析の一部を紹介する。一次解析として外来CKD患者(39,121例)の腎機能(eGFR)および尿蛋白の実態調査を行った。年齢中央値は71歳、男性54.7%、平均eGFR 51.3 mL/min/1.73 m2で、65歳以上が全体の70%を占めた。現在、J-CKD-DB-Exの解析も進めておりreal world dataとして活用を目指している。