Japan Association for Medical Informatics

[2-A-4-02] ePathプロジェクト 胸腔鏡下肺切除(VATS)パスの一時解析の結果報告と検討

*Jun Matsumoto1, Yasuko Muraki1, Hiroshi Suehisa2, Yuuki Ono3, Kazunori Iwatani4 (1. NTT東日本関東病院, 2. 国立病院機構四国がんセンター, 3. 九州大学病院, 4. 済生会熊本病院)

ePath project, Video-assisted thoracoscopic surgery, outcome


【目的】ひな型パスをもとに4施設で集積され、出力されたdataをもとに解析を行った。dataを可能な限り可視化して、病院間の相違点を明らかにした。可視化された解析結果をもとにひな型パスを改定することを目的とした。

【対象と方法】対象は2020年3月までに4施設で出力ずみの233例。運用後のVATSパスのアウトカム・観察結果、患者属性、DPC ,E Fファイル、Hファイルからdataを統合解析した。目的変数として①ドレーン抜去日が術後3日目以降と②各病院が設定したパス標準日数より2日以上超過の2つの解析を行った。

【結果】まずは可視化された様々な解析結果の確認を行った。術後平均在院日数は最小4.6日から最大11.8日と差異を認め、患者属性や術後管理法についても異なる群の解析となった。患者属性を4施設間で確認したが、1施設のみ転移性肺腫瘍が多く、詳細を確認したところDPCと紐付けられた術式は、ひな型パスの適応基準と異なる術式選択がなされていた。目的変数として①ドレーン抜去日が術後3日目以降と関連した説明指数は205あったが、そのうち重要性の高い因子として喫煙指数、BMI,術後1日目の食事摂取などが、②パス標準日数超過(+2日以上)として、説明指数は334あったが、そのうち重要性の高いものは喫煙指数、BMI,術前Hugh-Jones分類などであった。

【考察】適応基準と異なる術式のパスの利用は各施設で検討、使用すればいいのだが、ePathプロジェクトとして出力され統合解析すべきでない。ひな型パスの適応基準、除外基準の再検討と確認が必要と考えられ、不適格症例を除いた再検討を行う。目的変数と重要性が高い指数として喫煙指数に着目して400以上と以下の2群に分けて分析を追加し、ハイリスク群のパスの切りわけが必要かどうかを判断する。