Japan Association for Medical Informatics

[2-B-3-02] 日本腎臓学会のダイバーシティ促進のための取り組み

*Naoki Kashihara1,2 (1. 川崎医科大学, 2. 一般社団法人日本腎臓学会)

gender equality, parenting, nursing care, remote work, telework


一般社団法人日本腎臓学会(JSN)は1959年に設立され、経年的に会員数は増加し、現時点で11,000名を超える。多くは内科系、一部基礎系、外科系の専門領域で構成される。世代構成をみると、20代:5.4%、30代:27.5%、40代:24.3%、50代:19.7%、60代以上が23.1%である。20代では、男性:女性比率は1.3:1.0と男女比率は拮抗しており、女性の入会員数が増加している。会員継続率の強化が課題である。
 JSNでは2006年に男女共同参画委員会を設立した。女性会員がキャリア形成を行う上で、相談相手、ロールモデルとしての先輩医師とのマッチング、課題解決のためのアクションプランを策定し学会活動への女性参画の促進を図ってきた。学会役員(理事、幹事)、各種委員会委員の選任にあたっても女性の登用促進を図ってきた。
 COVID-19を契機として我々は「新しい日常」を送ることになった。リモートワークが常態化しつつある。学会の各種会議(理事会、委員会等)も大半がWebを活用している。女性委員の学会運営への参画は容易になりつつある。リモートワークの強みを活かしてワークライフバランスを改善することが可能であろう。
 2020年8月、JSN学術総会を学会史上、初めてハイブリッド形式(会場でのReal総会+オンデマンドのVirtual会議)で開催した。移動時間、物理的距離、学会参加は必ずしも容易ではない。育児との両立はなおさらである。Virtual総会はその解決策となりえる。一方で、同じ目標を目指す同胞が一堂に会する機会を持つことは、本質的に重要であることも理解できた。
 疾患構成変化、高齢化、社会の構造変化等、学会を取り巻く環境は今後も大きく変化するであろう。Sustainableな学会であるために、環境変化に柔軟に対応し続けること、そのためには、多様であることが重要と考えている。