Japan Association for Medical Informatics

[2-B-3-03] 「Work Life Shift」への期待

*Keiko Fujii1 (1. 富士通株式会社)

gender equality, parenting, nursing care, remote work, telework


弊社は、2020年7月に「Work Life Shift」を推進すると発表した。「場所や時間にとらわれることなく、お客様への提供価値の創造と継続的に取り組むことができる働き方を実現する」をコンセプトに、具体的には「通勤」という概念をなくし、従業員全員がテレワーク勤務を原則とするため、通勤定期券代は廃止され、代わりにテレワーク環境整備費用補助として、毎月5千円の支給が開始された。オフィスのリノベーションを行うことで、働く場所は業務の目的とロケーションから、従業員一人ひとりが最適なオフィスを自律的に選択し、使いわけることができるようになった。従業員の自律性と信頼に基づいてマネジメントを行うことで、チームとしての成果の最大化や生産性の向上を実現するという新しい働き方である。富士通の働き方改革は、社会のダイバーシティ推進につながると期待されている。

私は女性管理職の一人であるが、若い頃から出張が多く、息子もほぼ祖父母に預けて仕事をしてきた。時短勤務等の制度があったにも関わらず利用せず、男性と同じような働き方をしてきた。しかしこの働き方は女性部下の良いロールモデルにはなっておらず、また私自身、女性ならではの視点や、育児や地域活動の経験から得られる発想(ダイバーシティ、女性活躍を推進する本来の目的)が不足していると感じている。

一部の従業員だけが利用可能という制度ではなく、全員が同じ環境下での働きで評価される「Work Life Shift」の制度は、会社以外から得る様々な経験の上での価値提供と、本当の意味での女性活躍推進の促進につながるであろうと考える。

同時に重要なのは、管理職として、環境の変化に伴う部下との接し方や、部下への内発的動機付け等、私自身のものの見方や考え方、理解の仕方を変えなければならないことである。このセッションに参加の皆様と是非議論したいところである。