Japan Association for Medical Informatics

[2-C-1] SS-MIX2ストレージ活用事例 〜地域医療連携とエビデンス創出を図る〜

*1, Michio Kimura2, Akinori Nishikawa3,4, Toshinori Jozaki5, Takanori Yamashita6 (1. SS-MIX 普及推進コンソーシアム, 2. 浜松医科大学, 3. 和歌山県立医科大学附属病院 医療情報部, 4. 和歌山県立医科大学 血液内科学講座, 5. 公立森町病院 統括マネージャー, 6. 九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター)

SS-MIX, Regional healthcare, Evidence, IT infrastructure


2019年3月に実施した調査によれば、SS-MIX2ストレージにデータが出力されている病院は 1,471、そのうち標準化ストレージに処方・検査データが出力されている病院は 996、拡張ストレージが構築されている病院は1,027でした。SS-MIX2 ストレージの普及は急速に進んでいます。今回のシンポジウムでは、SS-MIX2ストレージの地域医療連携およびエビデンス創出への利活用事例について4人の先生方にご発表をお願いすることと致しました。
浜松医科大学の木村通男先生には、本シンポジウムの目的とゴールならびに2020年3月末現在の最新のSS-MIX普及調査の結果の概要についてご発表いただきます。
和歌山県立医科大学の西川彰則先生には、SS-MIX2をベースとした双方向医療情報連携基盤・きのくに医療連携システム「青洲リンク」についてご発表いただきます。「青洲リンク」は、平成25年から運用開始、和歌山県では現在、延べ250万カルテIDの患者データをSS-MIX2で蓄積しています。特色としては、医科・歯科診療所のレセプト電算データ(DPCレセプト含む)や薬局のNSIPS®をSS-MIX2に変換する機能をオープンソース方式で開発し、双方向での医療情報連携を広く実現していることです。また本基盤を活用して展開中の医療連携以外の様々な仕組みについてもご紹介いただきます。
公立森町病院の城崎俊典先生には、静岡の地域医療連携・ふじのくにバーチャルメガホスピタル「ふじのくにねっと」について、その仕組み・特徴・現状分析・病院アンケート調査の結果および拡張ストレージを活用してPDF化した心電図の開示と参照を行う新しい試みについてもご紹介いただきます。
九州大学病院の山下貴範先生には、九州大学病院におけるSS-MIX2ストレージデータの利活用の変遷についてご発表いただきます。九州大学病院では、2010年度にSS-MIXを導入し、現在はその活用実績が15を超えています。導入当時はデータ参照が主でしたが、MID-NETでは医薬品副作用検出のためのデータ解析を必要としました。その中でリアルワールドデータ(RWD)のデータ品質管理の重要性を認識し、管理手順のノウハウを蓄積しました。医療技術実用化総合促進事業「Real World Evidence創出のための取組み」(通称:臨中ネット)では、複数施設での臨床研究用RWDとしてSS-MIX2利活用の検討を進めています。
最後に、ご発表いただいた4人の先生方に登壇いただき、パネルディスカッションを予定しています。