一般社団法人 日本医療情報学会

[2-C-1-02] SS-MIX2をベースとした双方向医療情報連携の現状と今後の展望

*西川 彰則1,2 (1. 和歌山県立医科大学附属病院医療情報部, 2. 和歌山県立医科大学血液内科学講座)

SS-MIX2, NSIPS, electronic medical record


きのくに医療連携システム「青洲リンク」はSS-MIX2をベースとした医療情報連携基盤として平成25年から運用開始、和歌山県では現在、延べ250万カルテIDの患者データをSS-MIX2で蓄積している。特色としては、医科・歯科診療所のレセプト電算データ(DPCレセプト含む)や薬局のNSIPS®をSS-MIX2に変換する機能をオープンソース方式で開発し、双方向での医療情報連携を広く実現している事である。更に調剤データは、「きのくに電子お薬手帳」として、スマートフォンで患者自身の調剤情報を閲覧できる仕組みを導入している。
 診療面においては、基幹病院、診療所、在宅往診医等の医療情報連携に利用している。実際に在宅医と基幹病院専門医が二人主治医制という形をとり診療情報を共有することで、在宅での輸血療法を安全に実施することに役立てている事例もある。在宅診療の充実は、通院困難な高齢者や感染リスクの高い患者にとって、通院の負担を減らすことに加え、コロナ禍の時代に外出による感染リスク減らすことに役立つ可能性がある。
 更に本基盤を活用した連携以外の取り組みとして、和歌山県立医科大学では、電子カルテにB型肝炎再活性化防止を目的としたアラートシステムを実装し、これをSS-MIX2標準化ストレージを用いたシステムとして構築し、電子カルテベンダーによらない汎用システム化の取り組みを行っている。電子カルテのアラートシステムは各ベンダー、各病院で個別に開発されているが、SS-MIX2ベースでのアラートシステムの共通基盤を作ることで各病院のノウハウを集約することができると考える。
青洲リンクは災害時の診療情報のバックアップを目的として構築されたが、平時の医療施設間連携に有効であり、更に今後はPHRとしての機能追加も検討していきたい。