Japan Association for Medical Informatics

[2-C-1-03] 地域医療連携システム「ふじのくにねっと」の現状について

*Toshinori Jozaki1 (1. 公立森町病院)

Medical Information System, EHR, SS-MIX2


ふじのくにバーチャルメガホスピタル「ふじのくにねっと」はVPN回線を使用した地域医療連携システムで、複数の開示施設と複数の参照施設で診療情報を共有できるN対N型の連携システムである。医療連携の強化促進、情報共有による、より高度な無駄のない医療の実現を目指している。
 平成23年2月から静岡市、焼津市、藤枝市の3病院13診療所にて実証実験を行い、本格稼動しました。現在は、静岡県下で開示施設19、参照施設120が参加しており33000件ほどの開示件数がある。
 ふじのくにねっとの特徴は、①情報開示施設が異なるベンダーのシステムであっても、SS-MIXを利用した情報の共有が可能である。②多地域、多施設、多職種間の医療連携もサポートできる。③参照施設では最小限の費用負担で、ほぼリアルタイムに診療情報の共有が可能である。
 当院がある静岡県西部の中東遠医療圏では、稼働当初から公立5病院による病病連携のためにふじのくにねっとを利用している。当医療圏では24時間365日利用しており、多くの救急の現場で画像連携をおこない有効に活用されている。医療者向けのアンケート調査では、救急の現場での利用についての評価が高く、専門医や専門外の先生方の間で画像を使ったコンサルテーションに使えるという声が多くみられる。ただその反面、手続きに時間がかかるなど多くの厳しい評価もあり、課題を解決しながら新しい利用方法を検討していきたいと考えている。
 今回は、システムの仕組み・特徴・現状分析・病院の医療者向けアンケート調査の結果およびSS-MIX2の拡張ストレージを活用してPDF化した心電図の開示についても紹介する予定である。