一般社団法人 日本医療情報学会

[2-C-3-05] FHIR国内実装検討SWG5-medicationの活動

*小林 慎治1、木村 雅彦2、児玉 義憲3 (1. 国立保健医療科学院, 2. 日本アイ・ビー・エム株式会社, 3. 株式会社メドレー)

FHIR, HL7, Prescription, Medication


1. 活動概要
Subworking group 5は薬剤関連のResourceについて日本での運用について検討を進めてきた。
実施している作業は以下の通りである。
1) 関連Resource(Medication, MedicaitonRequest, MedicationDispense)の翻訳
2) 日本の処方運用に合わせたSampleインスタンスの作成
3) 実装ガイドの検討
4) JAHIS処方箋交換規約 Ver 3.0c, 電子処方箋運用ガイドなど既存の規格とのマッピング
5) 使用する用語集の整備
 翻訳はGoogle translateを利用して、仮翻訳として公開している。サンプルインスタンスについては、GitHubに用意されたSubworking 5のリポジトリで検討を行った。課題管理はGitHub issuesを利用した。既存の規格とのマッピングにはGoogle spreadsheetを利用した。
 実装ガイドについては、Forge, Simplifierを利用して内容を充実させつつある。
2. 日本で薬剤関連のFHIR Resource使う場合の問題点とその解決
 2009年に厚生労働省が医療安全を目的に処方箋の1日量表記を1回量処方に改めるように勧告したにもかかわらず、2018年の調査で8割の医療機関で1日量処方表記のまま運用されていると報告されている。FHIRでは1回量処方を前提としているため、このような現実を踏まえて明示的に1日量処方であることを示すextensionを設計した。あわせて、不均等投与の場合のextensionも設計した。
 2018年の診療報酬改定で分割処方、分割調剤についての形式が定められた。FHIRでも単一の処方箋で複数回の調剤を許可するRefill指示には対応しているが、分割調剤には対応していないためワークフローを含めて検討を進めている。