Japan Association for Medical Informatics

[2-C-3-07] NeXEHRSプラットフォームでのOpen FHIIRサーバ開発

*Yukinori Konishi1, Masami Nakagawa2, Kimikazu Kato3, Kazuhiko Ohe4 (1. 株式会社ケーアイエス, 2. 日本総合システム株式会社, 3. ソフトバンク株式会社, 4. 東京大学大学院 医学研究科 医療情報学分野)

Health Information Interoperability, Databases as Topic, Health Information Systems


日本の医療情報分野における医療情報交換のために厚生労働省標準規格として制定されている規格は、HL7Ver2.5やHL7Ver3.0に基づくCDA等の国際標準規格に準拠しており、医療機関内の診療、処方・検査・会計等のオーダリング等様々な形で医療情報の交換が行われている。既存技術の中心であるHL7Ver2.5は、策定から16年が経過しており現状の医療情報システム間の連携等では安定しているが、WebやIoTデバイス連携等の新しい技術や患者による情報アクセス等の新しいユースケースには対応が難しい。一方、米国を中心とした諸外国ではモダンWeb技術を採用し実装に重点を置いて仕様策定されたHL7FHIRに準拠したシステムが国の政策に合わせて急速に展開されている。HL7FHIRは、RESTfulアーキテクチャ、メッセージ又はドキュメントを使用したリソースのシームレスな情報交換をサポートする。ベースとなるリソースはそのまま使用可能であるがプロファイル、拡張機能、ボキャブラリなどを使用して各国の要件もサポートしている。既に海外のベンダーではFHIR APIを実装したクラウドサービスの提供やリファレンス実装されたオープンソースの提供も行っている。これら海外での動向を踏まえ日本医療情報学会ではNeXEHRS課題研究会によるFHIR実装WGでHL7FHIRの日本仕様実装ガイドの策定が進められている。HL7FHIRの日本仕様実装ガイドに準拠してHL7FHIRを作動させるには前記のオープンソースではソースコードの改修など複雑な作業を強いられることが大きな壁になる。そこで国立大学法人東京大学を中心としたコミュニティによりリファレンス実装されたオープンソースの開発を行いHL7FHIRの日本仕様実装ガイドをサポートし、利用者が国際標準規格を使用して新しいユースケースに対応できる環境を支援する。